
EPISODE.3
「TO SPIN A COCOON AROUND ONE SELF」
静かな森の片隅に
ひとりの小さな蚕がいた
眠らず 止まらず
夢のように糸を紡ぐ
最初の糸は 透きとおり
風さえも やさしく染めた
「これこそ わたしの作品」
誇らしく 胸をはる
だけど糸は 重なりゆき
光は消え 空気は薄れ
やめようかと ためらうたび
心に響く 声がする
「止まれば すべて無駄になる」
必死に吐いた 最後の糸
四方を閉ざし 闇に沈む
進むことも 戻ることも
もう できはしない
敵もなく 鎖もなく
ただ自分の 手で編んだもの
繭はいつしか 枷となり
自由を奪った 自分自身

EPISODE.2
「STRINGLESS PUPPETS」
自由だと思っていたけど
本当は誰かに動かされているだけだった
「見えない糸」に縛られ
考えて
「この糸を切れば、自由になれる?」
落下
糸の切れた操り人形
力なく頭を垂れる
流れ
糸の切れた操り人形
行き場を失う
落ちて
支配から抜け出したが
今更「自分」の意思で歩けるのか
感じて
操り人形ではなく
「自分」として生きるために

EPISODE.1
「RAINBRINGERS」
雨は好きですか
雨は人々にとって煩わしいものとされることが多い
雨男は生まれつき
どこに行っても雨が降る不運な運命を背負っている
「また雨が降るのは君のせいだね」
「自分は雨を引き寄せる運命なのかもしれない」
雨男は
どんなに雨に打たれても立ち続ける
「やまない雨はない」
「明けない夜はない」
そんな永遠に梅雨が明けるかわからないこの世界で
もう少し雨に濡れてニ本足で立ってみませんか